二宮金次郎と低成長期・人口減少時代

江戸時代後期の低成長期と人口減少時代を現在の日本と重ね合わせ、二宮金次郎が行った効率重視の報徳仕法を綴った著者の経済対策思想本。
実際には江戸時代後期は現在の複雑化された経済と簡単に比較できないが、綿密なプランニングから支出を分度(節度)で減らし、余った余剰金を運用や投資にまわすキャッシュフローを構築。
貸し金業としても、低金利を設定し返えす見込みのある額のみ貸し付けたりした。賃金、貸付けによる金利、小作業と普通の人の三倍の効率で稼いだ偉人。
いわばファイナンシャルプランナーであり、銀行であり、経営者であり、労働者であり、投資家であると金融において効率的なキャッシュフローを導くいた人。
また管理下に会った村においては、一人の餓死者も出さずに天保の大飢饉を乗り切ったとされ、大阪で蜂起した大塩平八郎の乱に対しても、悔やむといった時代背景があったとされているよう。
経済的なリスク対策の大切さを大きく学べた本。